ジム・ロジャーズ:世界の金融市場で問題が表面化

冒険投資家ジム・ロジャーズ氏は、トランプ勝利で火がついた金利上昇について心配している。
債務拡大の中での金利上昇は世界の金融市場を危機に陥れかねないという。

ロジャーズ氏はBloombergで、市場の後追いをするFRBの動向にはあまり関心がないと明かしている。
むしろ市場で進行する金利上昇・株価上昇・物価上昇・債務増大が重要だという。

「FRB利上げが1回だろうが4回だろうが気にしない。
株式市場は上昇するだろう。
私は市場を見ているんだ。」

ロジャーズ氏は決してトランポノミクスを賛美しているわけではない。
減税・インフラ投資などが経済にプラスと認めつつ、その実現可能性に疑問を呈している。

「そのお金はいったいどこからやって来るんだ。
今はみんないいニュースばかりを見て、悪いニュースに目をやらないようにしている。」

と語り、保護主義など経済を害しうる政策を挙げた。
しばらくたてば、皆の関心は「悪いニュース」にも及ぶようになるはずだ。
それが経済を害するのはそのまた先となるのだろうが、市場はそれを先回りするだろうという。

為替についても、ロジャーズ氏は市場を「いいニュース」が席巻していると指摘した。

  • 米ドルが安全資産と誤解されている
  • トランプ次期大統領の掲げるレバトリ減税がドル買いにつながる

こうした理由から、今はドルを保有していると明かした。
裏を返せば、この面でもいつか「悪いニュース」が注目されうると滲ませたのだろう。

ロジャーズ氏は、疑問を呈した財政政策の財源について、米企業が海外に置いている3兆ドルの資金から捻出すべきと語っている。
しかし、その可能性は薄い。
そもそもトランプ氏の掲げるレパトリ推進は減税措置でしかなく、それとは別に大型法人減税も約束している。
トランプ氏の財政拡大には(少なくとも短期的には)国債増発しか道はない。

債務が増大する中で、金利上昇が本格化するかもしれない。
ロジャーズ氏が今一番心配するのは、この金利上昇だ。

「みんな大きな問題に直面する。
来年(2017年)の問題は世界の金融市場に及ぶ。」

その他、ロジャーズ氏はロシア株を魅力的としたほか、原油は底を打ちつつあるなどとも話した。