ジム・ロジャーズ:トランプ相場はもって1月まで

冒険投資家ジム・ロジャーズ氏が、日経マネーのインタビューで、経済・投資にかかわる広範なテーマについて語っている。
米ドルの上昇はしばらく続くと予想したほか、金利上昇が続くことで世界中で破綻が増加する可能性に言及した。

レパトリ成功なら株・ドルは上がる

日経マネー記事は、FP読者にとってはほとんど聞きなれた話なので、そうした話題は過去の記事を見返していただきたい。
ここでは、これまで強調されてこなかった論点について紹介する。
トランプ氏の公約の一つ、レパトリ減税についてだ。

「それは、米国企業が海外の租税回避地にためた3兆ドルもの利益を米国に還流させることだ。
実現すれば、米国株もドルも長期にわたって上昇するだろう。
・・・
利益を米国に還流させることができたら、世界経済の波乱をしばらくは遠ざけられるだろう。
・・・
利益の還流に成功したら、米国株を購入するだろう。」

ロジャーズ氏は、このマネー・フローの効果を極めて大きいものと受け止めているようだ。
ただし、それほど容易な話ではないことも認めている。

実現せず、実現しても経済に寄与しない

「実現するとは思えない。
トランプ相場はもって2017年1月までだろう。」

ロジャーズ氏は株式市場・為替市場への影響を語ったのだが、政策効果という観点からもレパトリ減税の評判は悪い。
ビル・グロス氏はブッシュJr.政権での例を挙げ、効果がほとんどなかったと指摘した。
ローレンス・サマーズ元財務長官は「幻想にすぎない」とこき下ろしている。

安全ではないが米ドルが買われる

米ドル・バブルを予想し見事に的中させたロジャーズ氏だが、さらに「ドルは一段と上がる」と語る。
どこで何が起こるのかは予見できないものの「今後2~3年のうちに世界経済に波乱が再び訪れ」、安全な通貨と勘違いされているドルが買われると予想するからだ。
ロジャーズ氏は、ここでもいつものように「ただし」と断っている。

「実際にはドルは安全な通貨ではない。
米国は世界の歴史上、最大の債務国であるからだ。」

2-3年は金利が上昇する

対GDP比率で言えば米国より重い債務を負っている日本からすれば、なんとも耳の痛い話だ。
債務は借主を変えながら全体としては増え続けている。

「ほとんど無利子で融資を受けられることから、多くの人が借金を抱えることになった。
だが、金利はいずれ上昇する。
多くの人が破産の憂き目に遭うだろう。
・・・
既に(金利は)底を打ったので、今後2~3年は世界中で上昇するだろう。」

なお、日本については、昨年夏に日本株ETFを買い「今は売り時を待っている」としたほか、円は持っていないと明かした。
今は日本を買うタイミングとは考えていないようだ。