ジム・オニール:BRICsが悪くない4つの理由

中国人民元
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BRICsの生みの親Jim O’Neill氏が帰ってきた。
英財務次官を退任したオニール氏が、今年の経済見通しにかかわる誤解について説明している。

オニール氏はProject Syndicateへの寄稿で、今年の新興国市場のコンセンサスについて疑問を呈している。
そのコンセンサスとは

「トランプ次期政権下で財政刺激策が拡大される一方、FRBは金融引き締めを進める。
これが米ドル高を呼び、広く新興国市場に問題を生み出す。」

確かに、極めて多くの人がこうしたシナリオを思い描いている。
米ドル売り・新興国通貨買いのキャリー取引が、米金利上昇により巻き戻す結果、米ドル高・新興国通貨安が起こると見ている。
部分的にせよドル建て債務を抱える新興国は、ドル高によって苦しむことになる。
こうしたシナリオに対し、オニール氏は4つの反論を提示している。

  • 投資家はコンセンサスに対してさえも用心している。
    トランプ氏の政策が実現するかどうか確証がない。
    政策が実現しなければ、キャリー取引巻き戻しのもくろみは裏目に出る。
     
  • トランプがドル高を容認するとは考えにくい
    よく似た政策をとったレーガン政権下でも、結局はプラザ合意によりドル安となった。
     
  • 米国の財政政策で資源国である新興国が恩恵を受ける可能性がある。
    資源価格が上昇すれば貿易収支が改善し、新興国通貨が上がる可能性がある。
     
  • 最大の要因である中国経済が予想を上回りつつある。
    「中国経済のわずかな加速が夏以降も維持されれば、中国株の上昇も続く。
    さらに、中国全体の成長が加速しなくても、消費者の財とサービスへの需要は増加を続ける。」

閣内にあって、しばらく聞かれなかったオニールの強気節が戻ってきた。
オニール氏は、他にも多くの新興国が上向くと予想している。
(下向く国もあると予想している。)
次の問題は、経済環境が市場にどう反映されるか予想する点にあるのだという。