ジェレミー・シーゲル

ジェレミー・シーゲル:株がまだ上がるワケ

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米国株市場の応援団長、ウォートンの魔術師Jeremy Siegel教授が、CNBCで米国株がさらに上げ続ける理由を語っている。
ところが、そのレトリックがやや巧妙すぎるように思えるのだ。

「法人税改革と法人税率引き下げが市場を牽引する最重要の要因だ。
規制緩和、海外留保利益のレパトリの見通しも効いてくる。
すべてプラス要因だ。
これらの影響はまだ市場にすべては織り込まれていない。」

どうやらシーゲル教授は、これまでの米国株上昇の要因の多くが財政出動への期待であると考えているようだ。
いや、それは変だ。
シーゲル教授は12月半ば、初期のトランプ・ラリーの要因を法人減税だと言っていた。

「最近の株価上昇はあまりにも楽観的すぎ、冷静になるべきだが、背景には大規模な法人減税への期待がある。
これで企業収益は10%超は改善する。
さらに規制緩和やインフラ支出が株価を押し上げる。」

なんとすばらしい論法だろう。
まず、法人減税で上げたといい、さらに規制緩和・インフラで上げると予想する。
その半月後には、法人減税も規制緩和もまだ織り込まれていないとして、さらなる上げを予想する。
一粒で二度おいしいとはこのことだ。

ニューヨーク・ダウ平均に見るトランプ・ラリー

さて、シーゲル教授は今月5日、こうも言っている。

「さらに加えて、企業収益の停滞から脱した。
間違いなく脱したと見ている。」

なるほど、これが本当に実現するなら、新たな変化だ。
粛々と是非を見届けよう。

シーゲル教授は貿易戦争・通貨戦争などのリスク要因にも言及する。

「これらすべては私の頭の片隅にある。
トランプ次期大統領はまだそうした立ち位置を実際にはとっていない
もしも、その立ち位置に動かないなら、間違いなくさらなる上げの材料になるはずだ。」

トランプ氏が保護主義を捨てればプラス材料というのはそのとおりだろう。
(ただし、昨今のトヨタのメキシコ工場新設への干渉などを見ると、トランプ氏が保護主義に動き出していないとの見方は適切でないだろう。)
つまり、シーゲル教授の要因分析については

  • 過去にかかわるプラス要因は重複
  • 将来のタラレバは正しいものの結果待ち

ということになるのではないか。