ジェレミー・グランサム:株価はゆっくりと不完全に萎む

大手投資会社GMOの共同創業者Jeremy Grantham氏は、米国株バリュエーションがバブルの領域に近づいたと語った。
にもかかわらず、過去のバブルで見られた現象が見られず、終わり方も過去とは異なるだろうという。

バブルの歴史家を自認するグランサム氏がWSJに現在の株式市場について語った。
グランサム氏によれば、現在の市場はパラドックスではあるがバブルではないという。

グランサム氏は以前、米株価変動の統計的分析から「S&P 500にして2,300まではバブルとはいえない」としていた。
一方で、「もし、S&P 500が2,300を突き抜け、弱気派が降参したら、状況は変わりうる」とも語っていた。
そのS&P 500も2,300をうかがう水準まで上昇している。

S&P 500も2,300に迫る

グランサム氏はロバート・シラー教授のCAPEにも言及している。

グラフから一目瞭然であるとおり、過去CAPEが現状並みに上昇したのは2回。
2回ともその後に米市場は暴落している。
米国株のバリュエーションは高い。
しかし、グランサム氏はバブルとは表現しない。

「投資バブルにつきものの経済的・心理的条件が見られない。
一方で、現在の株価水準はバブルの統計的な境界上にある。」

グランサム氏が「経済的・心理的条件」というのは

  • 経済: ほぼ完ぺきに近い経済環境
  • 心理: いい状況が永く続くとする多幸感

を指している。
それもそのはずだ。
経済が完璧に近くなくとも、投資家が楽観的にならなくとも、先進各国の中央銀行がリスク資産の価格を押し上げるような政策をとってきたのがこの数年だ。
今までとは異なる膨張のしかたをしたバブルは、その終わり方も少し異なるのかもしれない。
グランサム氏は、

「(市場は)過去のバブルのように爆発するとは思えない」

と語る。
中央銀行が押し上げた株価バリュエーションは「ゆっくりと不完全に萎んでいく」可能性の方が高いのだという。
中央銀行が資産価格を管理するレジームが継続すると見ているのであろう。