ウォール街

ジェフリー・フランケル:起こるまで直らない

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ハーバード大学ケネディ・スクールのJeffrey Frankel教授がProject Syndicateで不吉な予言を書いている。
ある程度のショックが起こらない限り、現在の市場の楽観は終わらないというものだ。

現在の経済に影響するリスクについて、おそらく投資家は再評価することになろう。
しかし、歴史が繰り返すなら、何であれ悪いショックが実際に襲うまで、再評価はなされない。

経済・市場・政治・外交には多くのリスク要因が存在するにもかかわらず、米恐怖指数は極めて低い水準にある。
実に、サブプライム危機直前の2007年3月よりも低位にある。
教授の懸念は、市場が再び直視すべきリスクから目を背けているのではないかというものだ。

米恐怖指数(青、左)と米株価指数(Russell 3000、赤、右)
米恐怖指数(青、左)と米株価指数(Russell 3000、赤、右)

リスク山積でもリスク資産が上がる

潜在的問題が多く存在していることから、フランケル教授はこの数年のうちにどれかが実現する可能性が高いと考えている。
教授は多くのリスクの中からいくつか特に重大なものを挙げている:

  • 歴史的高水準にある株式市場で株式バブルが崩壊する。
  • アラン・グリーンスパン元FRB議長が指摘した債券バブルが崩壊する。
  • 一方でFRBとECBが金融政策正常化に動こうとしている。
  • 国際社会での米国の影響力が低下する中で、北朝鮮・中東等での地政学的リスクが高まっている。
  • トランプ政権の混乱・失策がリスクを増大させる。

こうした状況が、フランケル教授にサブプライム/リーマン危機前を思い出させる。
当時も住宅価格が史上最高水準となり、崩壊のリスクが高まったはずなのに、市場はリスクが低いかのように振舞った。
恐怖指数・米国債利回りは低下し、株式・ジャンク債・新興国証券は上昇したと回想している。

(次ページ: 黒鳥は前からそこにいた)