ジェイミー・ダイモン:米経済が抱える本当の問題

JP Morganのジェイミー・ダイモンCEOが、米経済への強気スタンスを継続した。
その上で、米国が取り組むべき6つの課題を挙げている。

トランプ政権の諮問会議にも名を連ねるダイモン氏は年次の株主あて書簡の中で、通常経済モデルには表れないが米国が対処すべき問題を6つ挙げている。

  • 過去16年間、1兆ドルものお金を生産性向上ではなく、戦争のために使ってしまった。
  • 2010年、政府が学生ローンを引きついで以降、残高は2,000億ドルから9,000億ドルに増大し、学生の破綻を増やしてしまった。
  • 米国の一人当たり医療費は他の先進国の倍。
  • 理系の上位の学位を受ける人の約40%は外国人で、合法的には米国に残れない。
  • 小さな違反でも重罪判決を受けたことで20百万人の米市民に犯罪歴がつき、就業が難しくなっている。
  • 住宅ローン市場の改革ができないことで、住宅ローンを受けられる機会が劇的に減っている。

日本とはずいぶんかけ離れた事情を抱えていることがわかる。
米社会について論じられる問題の背景にはこうした事実が潜んでいたのかと思わされる話ばかりだ。
ダイモン氏は、こうした純粋に財務的ではない事情が経済成長や生産性向上の妨げになっていると考えているのだ。

一方で、ダイモン氏は基本的には米経済への強気スタンスを維持している。

「多くのエコノミストは、現在の米経済が恒常的に低成長と低生産性に陥ったと信じている。
(彼らは、趨勢的停滞こそNew Normalであると言う。)
しかし、私はこれに強く反対だ。」

米国のエリートらしい自信に満ちた前向きな発言だ。
トランポノミクスへの過度な期待が剥落しつつある中、米経済についての強気派・弱気派のせめぎあいはどちらに軍配が上がるのだろう。