ジェイミー・ダイモン:潮目で買い手が売り手に変わる

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JP Morganのジェイミー・ダイモンCEOが、FRBのもくろむバランスシート正常化の潜在的リスクを認めた。
引き締めのさじ加減によって、一斉に買い手が売り手に変わりかねないと懸念した。

「こうした量的緩和を以前経験したことはない。
こうした巻き戻しを以前経験したことはない。
このことが明らかに、意味するリスクについて物語っている。
私たちは以前経験したことがないんだから。」

ダイモン氏がパリで開催された会議でこう語ったとBloombergが伝えている。
FRBはリーマン危機後の金融市場を支えデフレを脱するため、国債や住宅ローン債権を買い入れ、それまで1兆ドル弱だったバランスシートを4.5兆ドルまで膨らましてきた。
早ければ秋から、この膨張したバランスシートを縮小しようともくろんでいる。

FRBの総資産(青)、保有国債(赤)、保有MBS(緑)、流通通貨量(紫)
FRBの総資産(青)、保有国債(赤)、保有MBS(緑)、流通通貨量(紫)

ダイモン氏は、注目される金利動向について必ずしも悲観すべきとは考えていない。

「金利が上昇して経済が強いなら、強い経済の方が金利上昇より重要な要因となる。
過去を振り返ると、金利が上がり、インフレも上がり、住宅価格も上がり・・・、金利上昇が経済を損なうとは限らない。」

ダイモン氏は、経済が十分に強ければそれに見合った金利上昇は消化可能であると指摘した。
そう実現するように、利上げやバランスシート正常化は慎重に行うべきという。
しかし、それでもリスクは拭いきれない。
中央銀行はすべてを知っているわけではないし、さまざまな相反する要因の中で問題を知りつつもある政策に踏み切らざるをえない状況も起こり得る。
FRBがさじ加減を間違えなくとも、やむなく進めた引き締めによって経済・市場が悪影響を受ける可能性があるのだ。

「バランスシート正常化が規模・重大性をもって行われた場合、みんなが考えているよりも混乱を引き起こすかもしれない。
・・・
そうなれば、世界はまったく変わってしまう。
大きな潮目の変化だ。」

リーマン危機後、米国債を買い続けてきた中央銀行・金融機関・為替トレーダーらが、逆に売る一方となる状況が起こりうるとダイモン氏は警戒している。