ジェイミー・ダイモン:予想不可能なリスク・シナリオ

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JP Morganのジェイミー・ダイモンCEOが、現在進行中のFRBの金融引き締めを「いい理由」によるものと解説した。
経済が安定する中での金融政策正常化を歓迎している。


Jamie Dimon: Hurricanes not a reason to change monetary policy from CNBC.

「(FRBの年内利上げと)ハリケーンは関係ない。
いかなる政策もハリケーンの関数じゃない。」

ダイモン氏はCNBC主催のコンファレンスで、大型ハリケーンの影響を金融政策と結びつけたがるメディア・金融界の雰囲気を批判した。
被害を受けた地域には救済が必要で、金融界もそれに協力すべきとしたものの、それと金融政策は別物と語る。
ハリケーンで一時的にGDPが下押しされても、後に上押しされるかもしれない。
そうしたことは長い目で見ればノイズにすぎず、過剰反応すべきでないという。
金融政策の決定要因はもっと本筋のところにあるというのがダイモン氏の考えだ。

「私は金利が上がる必要があると思う。
経済が強く、さらに強まっているからであり、これはいい理由だ。」

ダイモン氏は、逆に悪い理由の例も挙げている。
1980年前後のボルカー・ショックで行われたことを紹介した。

「みんな覚えていないかもしれないが、ポール・ボルカー議長(当時)は日曜の夜に2%の利上げを行った。
今の利上げは1回あたり25ベーシスにすぎない。
(しかも、ボルカーの利上げは)FOMCの間ではなくて日曜だ。
インフレが上昇していたからだ。
当時はスタグフレーションだった。
これは悪い理由だ。」

ボルカー議長(当時)は、インフレを放置できないため、不況にもかかわらず、追い込まれるように利上げを繰り返した。
イエレン議長は雇用も景気もいい中で、緊急対応の金融政策を巻き戻しているだけだ。
経済が安定している中での金融政策正常化は望ましいこととダイモン氏は考えている。
その一方で、リスク管理上はそうした楽観シナリオだけを想定してはいけないと釘をさす。

我々は、とっているリスクを見る際に、他のシナリオも想定している。
インフレが醜い頭をもたげ、成長が減速し、(金融緩和を)継続せざるをえないシナリオだ。
まったく異なる結果をもたらし、誰も将来何が起こるか予測できない。
だから、両方のシナリオを用意しなければいけない。

ダイモン氏は、FRBのランゲージの読み方についても教えている。
本音と建て前が別のところにあるという話だ。

「FRBは世間に恐れを抱かせたくない。
人々に貯蓄をさせたくない。
今やっていることを続けさせたいんだ。」