サマーズ:株価上昇が長続きしない5つの理由

ローレンス・サマーズ
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ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、トランプ・ラリーに酔いしれる株式市場に警鐘を鳴らした。
市場も経済も1年もしないうちに悪化に向かうと予想し、5つの理由を説明している。

トランプ・ラリーは政策の妥当性を示さない

サマーズ氏がいかっている。
怒りの対象は大統領とその側近ばかりではない。
選挙中にはトランプ候補を半ば笑いとばしていた実業家らが、手のひらを返したように新大統領にへつらう。
明らかに不当な介入に対しても、大人の対応をして見せる。
戦うことをやめ自己の利益の保全に走る人たちに幻滅を覚えている。
そのサマーズ氏が、今度はダウ平均20,000乗せで浮かれる市場に、自己のブログで苦言を呈している。

「これにどれほどの意味があるのか?
どれだけ新政権が進める経済政策の手法の正当性を示すものなのか?
選挙後の株価上昇は継続するのか?
だれもこの答を知らないし、マーケット・タイミングは愚か者の遊びだ。
しかし、私はいまだに市場や経済が1年も続かない陶酔に浸っている可能性が高いと信じている。」

ラリーが続かない5つの理由

経済学者から市場の話を聞くことにどれほどの意味があるかはわからない。
しかし、サマーズ氏が天才であるのは事実。
その人の言うことは素直に聞いておこう。
それに、なんとなくアベノミクスのスタート時に似ていなくもない。
興味をそそる。
他人事だからなおさら面白い。

サマーズ氏は5点を指摘している。

  • 20,000という数字に特別の意味はないし、そもそもダウ平均はいびつな株価指数。
  • 市場の即時の反応は政策の妥当性とは関係ない。
  • 将来の混乱を予感させる現象が散見される:
    • 金融株が上がる中、インサイダー(経営者など)が自社株を売っている
    • 不透明さの中での低ボラティリティ
    • ミューチュアル・ファンドへの資金の急激な流入(逆転しうる)
  • 株価急上昇を説明するはずのファンダメンタルズ要因が不明確
    「S&P 500採用銘柄の収益の約半分が海外によるものであり、保護主義の恩恵を受けず、むしろ被害を受ける。」
  • ヒットラー、ムッソリーニなど、独裁者らの初期は株式市場が上昇するが、その後悲惨な結果を迎えるのが歴史の通例。

(次ページ: 市場・経済のダウンサイドが拡大)