サマーズ:新経済プランはブードゥー経済学以下

ローレンス・サマーズ
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ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)が、市場の楽観主義に警告を発している。
新政権の経済プランが経済学の体をなしていないとしたほか、リパトリ減税は投資・雇用に貢献しないと斬って捨てた。

サマーズ氏はBloombergで、トランプ政権が「異常なまでの不確実性」をもたらすと語った。

「これ(トランプ政権樹立)はおそらく米国の過去75年において最大のイデオロギー上・重要政策上の遷移となる。
こうした遷移は、世界における米国の中心的な役割を踏まえると、大きな不確実性を生む。
市場はそれを十分に認識していない。」

サマーズが指摘した市場の動きは確かに楽観一辺倒だ。
ダウ平均が20,000直前で足踏みしているとは言え、こうしたことは台替わりで往々にして起こる現象にすぎない。

ニューヨーク・ダウ平均

サマーズ氏は、国家通商会議トップに就任予定のピーター・ナバロ教授、商務長官に就任予定のウィルパー・ロス氏が9月に著した共同論文(トランプ政権の成長プラン)を辛辣に批判する。
同論文では保護主義的主張がなされ、中国を不公正な貿易相手国と名指ししている。

「ナバロ=ロス論文は、ブードゥー経済学をゆうに超える。
論文で展開された論理はいかなる種類の責任ある経済学的思考からも大きく逸れており、創造説の経済版ともいうべきものだ。」

議会共和党との意見一致が見込まれる各種減税についても、投資や雇用を生むようなものではないという。
海外に巨額のキャッシュを有する企業の大半は国内にもすでに巨額のキャッシュを有しているからだ。
すでに国内にあるキャッシュを使わないのに、減税したり、海外からのレパトリを促したところで、どれだけ投資・雇用に回るのかとの主張には説得力がある。

「国内に戻されたキャッシュは配当支払い、自社株買い、M&A、金融のチェス盤を動かすために使われ、新たな資本が大きく投資に回ることはない。
レパトリの結果、投資が大きく増えるというのは、幻想にすぎない。」

市場ではインフレの進展が予想されているが、サマーズ氏は依然リスクがデフレ側に存在すると語っている。