ゴールドマン:ドルを売る理由はない

ゴールドマン・サックス

Goldman Sachs Asset Managementが、米ドル高に賭けている。
トランプ大統領の保護主義は雑音にすぎず、ドルは円やユーロに対して上昇すると予想している。

日米長期金利差とドル円

「(最近の調整は)新たなトレンドが始まるときの踊り場に過ぎない。
伝統的な財政政策やデフレの脅威からよりリフレ的な政策環境に世界が大きくシフトしつつあり、米国で最も顕著になった。」

GSAMのPhilip Moffitt氏が最近の米ドルの調整にもめげずドル高予想を続けているとBloombergが伝えている。
米国と日欧の間での金融政策のダイバージェンスから、今後もドル高は動かないという。
トランプ大統領の繰り出す無理筋の政策は「雑音」にすぎず、ドル/円、ドル/ユーロは金融環境を反映してドル高が進むとの見方だ。

「ドルを大きく買っているかもしれないし、小さく買っているかもしれないし、ニュートラルかもしれない。
少なくとも、今はドルをショートする状況ではない。」

ゴールドマンは早い段階から米経済の回復を予想し、インフレと金利の上昇からドル高を主張していた。
日欧はまだ引き締めに転じるような段階ではないから、米金利上昇は金利差の拡大を通して米ドル高に結びつく。
一方、世の円高予想派の根拠はトランプ氏の保護主義的政策だ。
経済の自然な流れなどお構いなしに、プラザ合意再来、ニクソン・ショック再来(あるいはもう少しソフトな形)によってドル安に引き戻されてしまうという予想だ。
確かに、強すぎるドルは米国の国益に適わないだろうし、そもそも強いドルが米国の国益なのかとの疑問さえ語られるようになっている。
元財務官の渡辺博史氏は、米国を取り巻くマネー・フローが強いドルを求めないように変化しつつあると指摘している。

Moffitt氏は具体的な投資戦略も語っている。
トランポノミクスの中でインフレ昂進を予想しており、そのヘッジとして米物価連動債に投資している。
新興国では保護主義のあおりを受けやすい韓国ウォンに弱気。
逆に、すでにアンダーシュートしているメキシコ・ペソ、関係改善が期待されるロシア・ルーブルに強気。