ケネス・ロゴフ:日本は高額紙幣を廃止すべきNo.1の国

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現金の呪い-紙幣をいつ廃止するか?』の著書で高額紙幣の廃止を唱えるハーバード大学Kenneth Rogoff教授が、The Japan Newsのインタビューに応じている。
現金大国 日本はこれを実施すべき最適の国であり、大きな恩恵を受けるだろうと指摘した。

「日本はこれを実施する最初の大国となるべきだ。
日本の税はかなり低く、租税回避は米国より多い。
公表されている多くの統計やこれまでの研究によれば、イタリアほどは高くないが、かなり高い。」

ロゴフ教授は、現金廃止の一つ目の効用である地下経済の掃討について、日本がうってつけの国であると主張している。
日本人からすれば、米国やイタリアと比べられるほどひどい国なのかと反論したくなるところもあるが、ここは善意の提案を素直に受け止めておこう。
確かに高額紙幣を廃止すれば、汚職、不明朗な政治資金、脱税等は大幅に減ることになろうから、この提案には大きなメリットがある。

さらに重要なのは、金融政策との関係だろう。
高額紙幣を廃止し電子的通貨を導入すれば、預金だけでなく現金にもマイナス金利を付すことができる。
これが、ゼロ金利制約を取り払う決め手になる。
利下げによる金融緩和の余地が大きく広がるのだ。

「それには計画で5-10年は必要だ。
日銀だけでやれることではない。
時間はかかるが、日本にとっては大きな助けになる。
安定と成長を大きく促進するだろう。」

日銀が量(マネタリー・ベース)による刺激を後退させた今、残るのは金利と質(買い入れる資産)。
買い入れる資産の多様化にも善し悪しと限界がある以上、伝統的な金利による政策手段の幅が広がることは魅力だろう。
現在の量への評価を見れば、5-10年後まで量的緩和が歓迎され続ける確率はむしろ低いだろう。
そうなれば、量的緩和を巻き戻すための代替緩和策が必要になる。

「高齢化の問題も移民の問題も解決しないだろう。
しかし、日本において金融政策が制約を受けてきたことは間違いない。
さらに租税回避の問題として思うのは、もしも私が税金を払わなかったら、他の人が多く払わなければいけない点だ。
公正でなく、不平等を生んでしまう。」

ロゴフ教授は、この提案もまた構造問題を解決しないことを認め、チクリとやっている。
それでも、問題を放置するよりはましと考えている。

ビットコインについても言及し、現状は現金の代替品としては不完全であると指摘している。
決済手段として普及していくにしたがい、政府による監視が強まると予想している。

「ビットコインは現金の代替にはならない。
クレジット・カードの代替かもしれない。
政府は、極めて大規模な匿名の決済手段を許しはしないだろう。」