ケネス・ロゴフ:債務危機に備え1万円札を廃止せよ

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国家は破綻する』の著書で世界各国の財政政策に大きな影響を与えたハーバード大学 Kenneth Rogoff教授が、1万円札を廃止すべきと主張している。
犯罪・脱税防止の他、潜在的に起こりうる日本の債務危機に備え、マイナス金利の深掘りを可能にしておけという提言。

「誰かが現金で『トランプ・タワー』のような50億ドルのアパートを買ったとしたら、まず何かがおかしいと思わなければならないだろう。」

ロゴフ教授は週刊エコノミストのインタビューで、主張の趣旨を明快に語っている。
高額紙幣は脱税や犯罪に利用されやすい。

「現金をなくしても犯罪がなくなることはないだろう。
しかし、5%でも犯罪や脱税が減るのであれば、高額紙幣をなくす価値は十分にある。」

1万円は高額か?

日本が現金社会であることからも、1万円紙幣を廃止すれば相応の効果が得られるだろうと教授は言う。
同様の議論は500ユーロ紙幣廃止論インドの紙幣切り替えが挙げられる。
ただし、日本の場合とはかなり事情が異なる点もある。

  • ユーロ紙幣: 仮に俎上に上がっている500ユーロ紙幣を廃止しても、200ユーロ紙幣(約2.5万円)がある。
    これとの比較で、1万円紙幣の廃止はやりすぎの感もある。
    (仮に1万円紙幣を廃止するなら5千円紙幣も廃止し、2千円紙幣の普及に努めるべきではないか。)
  • インド: 地下経済のひどさは日本の比ではない。

(次ページ: 本当の目的は債務危機への備え?)