グレン・ハバード:バランスシート縮小で起こること

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次期FRB議長候補の一角に名前が挙がっているGlenn Hubbardコロンビア大ビジネス・スクール学部長が、米金融政策や資産市場についてコメントした。
資産価格が高すぎるとは言わないものの、FRBのバランスシート縮小と利上げについて適切なものと評価した。

個人的な見解としてこうした(物価目標未達の)状況でもFRBが金利の正常化に動くのは正しいと考える。
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12月の利上げは妥当だし、雇用は堅調というイエレン議長の考えに沿っている。

ハバード教授はテレビ東京の番組で、共和党政権下でのFRB議長候補らしくタカ派的なスタンスを滲ませる発言をした。
FRBに性急な引き締めを望む人はいないとしながらも、現在の市場のスコープに入っている最も早い引き締めペースに理解を示している。
現在の責任ある立場のためか、将来の行動を縛らないためか、極めてオーソドックスなやり取りに終始している。
物価目標未達の中での金融引き締めを妥当とする理由としては、原油価格や供給サイドの要因を挙げた。
つまり、コストの一時的低下が効いているというもの。

「賃金上昇の動きも見えるし、サービス価格は上がっている。
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FRBが目標とする『2%の物価上昇』は1年以内に達成できるのではないか。」

資産価格は高すぎないが要注意

金融政策の是非を決めるもう一つの要因、金融安定については「現時点で資産価格が上昇しすぎているとは言えないのではないか」と断定的な結論を示さなかった。
極めてセンシティブな課題について深く踏み込むのを避けたのだろう。
ハバード教授は両面の見方を紹介している。

  • 資産価格は要注意
    「資産価格はエコノミストが考えるモデルの上限近辺まで上がっている。
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    景気に対する自信が損なわれ長期的な見通しが変われば、資産価格が下落し不況に陥ってしまう可能性がある。
    世界の中央銀行はそれを防がなくてはいけない。」
  • 経済・企業収益の拡大をともなう資産価格上昇
    「世界の中央銀行が緩和を続け、企業収益が好調さを保っているタイミングで資産価格が上昇するのは珍しい現象ではない。
    こうした環境下で商業不動産の価格が上がるのも珍しくない。」

興味深いのは「景気に対する自信が損なわれ長期的な見通しが変われば」というくだり。
ここで言っているのは将来の真実の変化ではなく、将来についての見通しの変化である。
つまり、将来の真実が変わらなくとも、人々の感じ方が変化するだけで、将来の真実は180度変化しうると言っているのだ。

(次ページ: MBSと住宅バブル)