クルーグマン:格差拡大のための経済学

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ポール・クルーグマン教授が、供給サイド経済学を批判している。
そうした理論は格差を拡大させるための言い訳にすぎず、経済成長には資さないと手厳しい。

供給サイド経済学の詭弁

クルーグマン教授は昨年末、3つの「Wonkish」(理屈っぽい)なブログ記事を書いた。
自由貿易と雇用保護主義と貿易赤字、そして今回は供給サイド経済学である。
右派の提唱者を十把一絡げに批判しているのが潔い。

「彼らの世界観は、富裕層の減税が経済の奇跡を呼ぶとの主張に基づいている。
金の亡者の所得税を減らせば、彼らがさらに所得を得ようとして革新を生み、雇用を創出し、我々をこの世の楽園に連れていくインセンティブになるというのだ。」

クルーグマン教授は、世界的に問題点が指摘されているトリクルダウン、新自由主義について軽蔑を露わにしているのだ。

金持ちこそ悪事を冒す

「低い限界税率が生産拡大のインセンティブになるなら、個人的利益の期待は汚職を冒すインセンティブになる。」

米社会の格差を見る限り、金持ちが個人的利益に無関心と考えるのには無理がある。
金持ちだから汚職をしないと主張するトランプ陣営へのまさに理屈っぽい反論である。
クルーグマン教授は、貪欲には限度がなく、金持ちにとってお金とはエゴ・権力・ゲームであると説明し

「金メッキのトイレは、通常のトイレよりよく流れるわけではない。」

と財産をひけらかす人種を軽蔑している。

(次ページ: 切り取られる経済学)