クルーグマン:予想どおりうまく行かなかった

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ポール・クルーグマン教授が、Robert Skidelsky氏の経済学者に対する批判に噛みついた。
自分には各国経済政策の失敗が見えていたと言い張るから唖然とさせられる。

教授は量的緩和の失敗を予想していた?

クルーグマン教授はNew York Timesのコラムで、スキデルスキー氏の指摘の多くに賛同するとしながら、例示の一つに「最悪」なものがあるという。
言うまでもなく、教授が関わったリフレについての部分だ。
スキデルスキー氏のコラムではこう書かれていた:

「政策決定者は何をすべきかわかっていない。
通常の(そして通常でない)レバーを押したが、何も起きなかった。
量的緩和はインフレを『目標に戻す』と思われていたが、そうはならなかった。
緊縮は、信頼感を回復させると思われていたが、そうはならなかった。」

クルーグマン教授は、「と思われていた」という部分にご不満の様子だ。
少なくとも教授は「量的緩和はインフレを『目標に戻す』」と思っていなかったのだという。
何度も教授とノーベル賞の話を聞かされて説得されてきた日本人からすると、少々いぶかしい話ではないか。

思った通り流動性の罠に落ちた

「金利がゼロ近傍にある場合については、多少なりとも標準的なマクロ経済モデルが存在した(IS-LMによるモデル)。
このモデルの示したこと・示していることは:
(a) こうした条件では金融政策は効果を失う。
(b) 財政乗数は正で大きい。特に緊縮は経済を収縮させる。」

クルーグマン教授が1998年の時点で指摘していた流動性の罠のことである。
そして、各国の量的緩和が成功しなかったことで、自分の理論が立証されたと主張している。
成功しなかったのは政策決定者の責任なのだという。
政策決定者が(a)金融政策だけでなく(b)財政政策も採用していたら成功していたはずだといいたいのだ。

(次ページ: 消えた「無責任の約束」)