クルーグマン:ドッド・フランク廃止は金融危機を招く

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ポール・クルーグマン教授が、ドッド・フランク法を廃止すれば金融危機を招くと警告している。
何かと評判の悪い同法だが、クルーグマン教授は強力に擁護している。

「ドッド・フランク法が経済の妨げになっているとの証拠はない。
プラスになっているとの証拠は多い。
ドッド・フランクを巻き戻せば、次の危機を招くことになる。」

クルーグマン教授は心折れることなくトランプ政権の政策を批判し続けている。
ただし、ブログとは異なり、Bloombergではだいぶ冷静な語り口だ。
トランポノミクスの目玉政策の一つ、財政刺激策について、抽象的なレベルでは賛成としながら、やや必要性は薄れているという。

「米国はほぼ完全雇用に達したため、財政刺激策の必要性は以前ほどではなくなった。
だが、保険としての役割もある。
金利は以前ゼロに近いところにあるため、景気後退などに備えて財政を使う意味はある。」

使途として挙げられているインフラ支出についても意義は大きいとしながら、トランプ政権が公約した支出が《真水》でないことを指摘した。
民営化・民間資金の活用では財政刺激策としての効果は限定的となるためだ。
緊縮派・バラマキ派の妥協のために真水でない事業を用いるのは万国共通なのだろう。
そうだとすると、景気刺激効果については、真水の規模を注視する必要がある。

今年3回の利上げが見込まれるFRBについては、クルーグマン教授は、自分なら利上げを遅らせると話した。

「間違いを犯したくないとのFRBの意図は理解するが、まだ完全雇用ではなく、物価も2%に届かないと思う。
2%目標自体も妥当かわからない。
物価目標はオーバーシュートさせるべきだ。」

クルーグマン教授は、過去の日欧の失敗をなぞらないようにすべきという。
利上げと利下げを繰り返すことは、市場へのシグナルの効果を減退させてしまう。
FRBはいったん利上げを始めたら長い間利下げに転じなくていいようにすべきという。
そのため、金融引き締めはギリギリまで先延ばしすべきというのだ。