ガンドラック:水面下で進むリスク・オフ

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新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、株式市場と債券市場のセンチメントの乖離を指摘している。
債券市場では慎重な見方が優勢であり、国債利回りはしばらく低位が続くと予想した。

ガンドラック氏はReutersへのメールで、しばらく債券市場ではリスク・オフの動きが続くと書いている。

「水面下で安全への逃避が続いている。
ドイツ国債が下げを主導している。」

同氏は前月のウェブキャストで中長期的な米長期金利上昇を予想している。
一方、短期的には同金利が2.25%を割り込むとも予想していた。
その短期的な調整過程が今起こっている。
ドイツ10年債利回りはこの1か月あまり、欧州ほかでの政治的リスクの高まりから0.3%前後も下げている。
どうやら債券市場ではリスク・オフが優勢であるようだ。

金が上昇している。
投機筋は依然大量に債券をショートしており、市場は投機筋を駆逐しつつある。」

金利上昇と読んで債券をショートした投資家はもくろみが外れ、このところの金利下落によって損を膨らませている。
ガンドラック氏は、米政府がこのチャンスを活かすべきと説く。
今後財政赤字拡大が予想される中で、低利の調達を進めておくべきとのアイデアだ。

「私なら、市場が受け入れる最長のマチュリティ―の国債を発行する。
40年債から始めて、市場が許容する限り伸ばしていく。
可能なら100年ものでも出すべき。
いいタイミングだ。」

米国債利回り(青:30年、赤:10年、緑:5年、紫:1年)
米国債利回り(青:30年、赤:10年、緑:5年、紫:1年)

ガンドラック氏は、中長期的に米長期金利が上昇すると見ているので、こうした提案は当然のことかもしれない。
一方で、米債券市場は日本とは異なり、縮小したとはいえある程度の長短スプレッドがある。
長短スプレッドも歴史的に最小水準ではあるが、たとえば5年-30年で約2%の利回り差がある。
発行国債の期間を長期化すれば、確実に調達コストは上昇する。
将来の金利上昇はあくまで予想でしかなく、仮に米国が日本化すれば裏目に出てしまう。

ガンドラック氏は株式市場についてもコメントしている。

「株式市場は、水面下の安全への逃避と異なる動きをしている。
大いなる希望が込められている。」

債券市場が株式市場、さらに外国為替市場と同調しなくなっている。
この乖離は長く居座るのか、それとも何かのきっかけで解消するのだろうか。