ガンドラック:マイナス金利の世界の方がいい

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新債券王ことDoubleline CapitalのJeffrey Gundlach氏が、米物価とFRB金融政策の間のズレを指摘した。
FRBの引き締め姿勢が米国株市場を押し込めるとして、欧州や(中国を除く)新興国に目を向けるべきと語った。

米国債利回り(青:10年、赤:2年)と10年-2年スプレッド(緑)
米国債利回り(青:10年、赤:2年)と10年-2年スプレッド(緑)

「それが不況の兆しだと裏づけるハード・データは存在しない。」

市場が不安視する米イールド・カーブの平坦化について、不況を心配するほどではないとガンドラック氏が語ったとReutersが伝えている。
長短スプレッドのタイト化で思い浮かべる局面は2つ: 景気後退かツイスト・オペだ。
前者はもちろん、後者もQE再開を示唆するから不吉に響く。
ガンドラック氏はこうした悲観論を退けるものの、3年-2年スプレッドがなくなるようだと心配が必要になると語った。

米国債利回り(青:3年、赤:2年)とスプレッド(緑)

ガンドラック氏は現状に楽観しているわけではない。
むしろ、利上げに熱心なFRBとは裏腹に、物価や経済の先行きを厳しく見ている。

「今後数か月の低い消費者物価(の伸び)は、FRBが夢見る金融引き締めに冷水を浴びせることになろう。
コモディティ相場はとても弱く、米ドルも年初来安値だ。」

WTI原油価格(青、左)と米ドル実効為替レート(ブロード、赤、右)
WTI原油価格(青、左)と米ドル実効為替レート(ブロード、赤、右)

原油も米ドルも年初から弱含みだ。
ガンドラック氏はWTI原油価格が30ドル台に下がると予想した。

ブレークイーブン・インフレ率(10年、青)とコアコアCPI(都市部、赤)
ブレークイーブン・インフレ率(10年、青)とコアコアCPI(都市部、赤)

こうした動きに連動して、実績の消費者物価指数も期待インフレ率(ブレークイーブン・インフレ率)も目標の2%を割り込んでいる。
ガンドラック氏は、FRBが取り組む量的緩和縮小に加えてバランスシート縮小の方針に危機感を抱く。
経済データの一部に不安があるにもかかわらずFRBが引き締めに傾く一因には米国株市場の過熱感があると示唆した。
実体経済を持ち上げたがために、再び金融安定を揺らがせたのでは、何のための10年かわからなくなってしまう。

ガンドラック氏の視線は米国外に向かう。

「マイナス金利の世界の方がいい。
同じ経済で、量的緩和の続く環境だ。
だから、欧州や、中国を除く新興国市場に注目している。」