エラリアン:米雇用統計は弱くない

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、驚くほど弱く見える米雇用統計の読み方を解説している。
統計は一見弱く見えるが、実は米経済の力強い回復を示すものなのだという。

米労働省が7日公表した3月雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数: 前月比98千人増(市場予想180千人)
  • 失業率: 4.5%(前月は4.7%)

だった。
失業率は完全雇用を示しているとみられるが、雇用者数について大きく市場予想を下回っている。
これに対してエラリアン氏はBloombergで8つのポイントを指摘している。

  1. 雇用者数が悪いほどには、労働市場は弱くない。
  2. 3か月移動平均は180千人増と底堅い。
  3. 労働市場の底堅さは失業率に表れている。
  4. 賃金は市場予想どおり2.7%上昇し、労働市場の強さを裏づける。
  5. 労働参加率が63%にとどまっているのは心配な点。
  6. センチメント改善への警戒感はハード・データ改善に結びつくはずだ。
  7. 成長志向の政策を前進させろとの議会への圧力は強まっている。
  8. FRBは残り2回の利上げペースを遅らせるべきではない。

エラリアン氏は、米労働市場が雇用創出のステージから賃金上昇のステージへと進みつつあると考えているようだ。
こうした楽観は株式市場でも共有されている。
7日のS&P 500指数は2,355.54(前日比▲0.08%)で終えた。
この雇用統計、シリア空爆を考えれば、意外なほど無風だった。

したがって、FRB金融政策についてもエラリアン氏の見通しに変わりはない。

「FRBはゆっくりと計算された秩序ある変化を行おうとしている。
市場の後追いではなく、先導へと変わろうとしている。
金利の正常化でなく、バランスシートの正常化も視野に入っている。」

エラリアン氏は、年内のFRB利上げを残り2回と予想している。
2回でないとすれば、1回ではなく3回になる可能性が高いという。