エラリアン:米国で最もホットな4つの議論

Share

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、米経済について最も重要でさかんに議論される論点を整理している。
正統的かつ有用な整理となっているので、ここで紹介しておこう。

エラリアン氏はBloombergへの寄稿で、現在注目を集めているの4つの論点を紹介している。

  • 労働市場のたるみ
    労働市場にたるみがあるか、あるならどの程度あるのか、については議論があるとしながらも、この論点についてはあるコンセンサスがとれつつあるという。
    仮にたるみがあるとしても、それは金融政策で対応可能なものではなく、構造問題であるというコンセンサスだ。

  • 最近のインフレ低下傾向
    これには3つの見方が存在するという:
    ・インフレ低下は一時的なもの
    ・大きな問題の前兆
    ・統計のくせにすぎない

  • 金融不安定化の懸念
    長期間にわたる超拡張的金融政策が資産価格をファンダメンタルズから遊離させるとの指摘がある。
    一方で、そうしたリスクが顕在化しても、中央銀行が必ず救済してくれるとの見方もある。
    また、FRBがどれだけ資産価格を押し上げたか疑問視する人もいる。

  • 政策の誤りの修正
    従来は、過度の引き締めより過度の緩和からの修正の方が容易と考えられてきた。
    しかし、過度の緩和がバブルを引き起こす場合には違ってくる。
エラリアン氏は、政策決定に占める分析と判断の割合が変化してきたと指摘する。
大きな環境変化が進む状況では、判断の割合が増えているという。
合わせて、金融政策以外の発動が望まれるとした。
こうした見方から、エラリアン氏は今後の金融政策を占う。

「4つの要因のバランスを評価すると、FRBの6月の利上げは誤った政策ではなかった。
2017年中の残りの利上げも、現状の指標を見る限り、実施されるだろう。
政策決定者は、特に用心深い正常化がない場合、将来の金融不安定化のリスク増大を深刻に受け止めるべきだ。」