エラリアン:米一人勝ちはありえない

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、トランプ・ラリー継続の条件を説明している。
国内施策だけではこのラリーを維持することはできず、同盟国や中国と協調した経済成長が必要になると指摘した。

エラリアン氏はBloombergで、トランポノミクスが自爆する可能性を2つ挙げた:

  • 金融環境を引き締めすぎてしまう場合
  • 米国内の保護主義的主張を助長してしまう場合

前者はFRBの話であり、後者は国際協調の話だ。
米国で保護主義が台頭すれば、スタグフレーションの危機にさらされかねない。
これを回避するには、国内施策だけでなく、独・日・中の「リバランス」を促す必要があるという。
エラリアン氏は、現在市場が3つの要因の影響を強く受けているという:

  • 物価上昇
  • 高成長
  • 海外から米国株市場への資金流入

独・日・中は、この3つ目の相手方であり、2つのことを望みたいという:

  • 独・日・中の構造改革
  • 独の財政拡大

こうした条件が整えばリバランスが起こり、トランプ・ラリーは継続し、為替面の圧力(ドル高による制約)を受けにくくなるとした。

エラリアン氏は財政政策について、税制を単純にし、成長に資するように改正しなければならないと提言している。
税率を下げ、インフラ支出と規制緩和を行うべきという。
大統領・上下両院が共和党となった今、それは「手近な果実」だと語っている。
こうした楽観的なニュアンスとは裏腹に、エラリアン氏は2017年が2つのシナリオの綱引きになると予想する:

  • 米国が諸外国を引き上げ共に成長する
    または
  • 米国だけが突出した結果ドル高に苦しむ

「市場は現在、米国が諸外国を牽引すると見ている。
しかし、片方のシナリオだけを強調しすぎないことが大切だ。」

と慎重さを崩さない。
後者となれば保護主義が台頭し、スタグフレーションを招きかねないからだ。

20,000をうかがうニューヨーク・ダウ平均については、名目GDP改善を見込んでの上昇だろうと推測した。

さて、エラリアン氏は同様の主張をコラムでも展開しており、その相手国も同じ独・日・中だ。
ところが、Bloombergのタイトルに触れられているのは独・中のみ。
日本はもう十分にやっているという評価なのか、期待する対象ではなくなったということなのか。
十分にやっているという話なら、日本経済は期待通りに成長するという話なのだろうか。