エラリアン:流動性が引いてしまう前に

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、経済と金融市場の間の乖離について語った。
流動性が市場を押し上げているうちにファンダメンタルズが追いつかないと市場の支えが取れてしまうと警告した。

「問題なのは、恩恵が金融市場に限られていることだ。
まだ、それが波及して十分に高い経済成長を生むに至っていない。」

エラリアン氏はFox番組で、経済・市場の回復が金融経済に偏っている点を心配している。
米企業の収益状況は依然好調だ。
エラリアン氏は、3つの理由を挙げる:

  1. 金融環境はとても緩和的
  2. バランスシートは極めて頑強
  3. ワクワクするようなイノベーションを享受しているセクターがある

ところが、この好調さが経済全体に波及しない。
エラリアン氏は、スピル・オーバーを促すような成長戦略が必要と語る。

「規制緩和は進みつつある。
税制改革、インフラ、そして労働者の再訓練・再戦力化・教育だ。
米経済は2%より速いスピードで成長できるはずだ。」

実体経済を置いて快調に走り続ける市場の方にリスクはないのか。
市場が独走する理由をエラリアン氏は解説する。

「経済が実力ほど改善していないのに市場がこうも上昇した理由は流動性だ。
莫大な流動性が市場に注ぎ込まれている。
ECBや日銀などの中央銀行、企業のバランスシート(M&A、配当、自社株買い)、個人投資家から流動性が注がれている。」

不必要なマネーを経済に注ぎ込むような金融緩和が流動性相場を生んだ。
企業も個人も不必要なマネーをあてがわれ、何かを買い上がるしかないのだ。
しかし、各国の金融政策もいつかは変化する。
その時、市場を支える役割は流動性からファンダメンタルズにバトン・タッチされる。

「最大のリスクは、この流動性が維持できなくなることだ。
そうなれば、バリュエーションとファンダメンタルズの間の乖離が大きくなる。」

エラリアン氏は、FRBが9月に利上げするかはまだわからないとし、今週のFOMCについて次のようなメッセージが出されると予想した。

  • 経済、とくにインフレの動向により警戒する。
  • 年内の利上げの可能性は維持するが、時期は12月に寄せる。
  • バランスシート縮小はたいした話ではなく、心配は無用。