エラリアン:低いボラティリティが蓄積させる歪み

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独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏は、ボラティリティ低下の背景にレバレッジ上昇があると解説した。
適切な政策対応がないといつか転換点を迎え、資産価格は調整を迎えるだろうという。

「(VIXが低位にあることが指す)兆しは3つあるだろう。

  • 中央銀行がボラティリティを抑制する意思・能力を持つこと
  • 成長が唐突でなく比較的一定
  • 流動性がふんだんにある」

シカゴVIX指数

シカゴVIX指数(いわゆる恐怖指数)が低位にあり続けている理由をエラリアン氏はBloombergでこう語った。
多くの地政学的リスク、金利上昇への懸念、株価の割高感が語られる中、恐怖指数の低位安定は謎として市場の関心事の一つとなっている。
エラリアン氏はこのボラティリティの低さが、市場のレバレッジを高める要因になっていると指摘する。

「レバレッジを効かせば効かすほど市場は鎮まる。
問題は、ある時点で転換点が訪れることだ。
転換点が遠く見えるほど、これが長く続くことになる。」

エラリアン氏は、中央銀行の金融政策が意図せずして過剰なリスク・テイクを助長しているという。
金融政策がリスクを高めないためには、他の政策決定者の経済政策が不可欠と話した。

「もしも、反対側(金融政策以外の経済政策)の対応がなければ、資産価格はファンダメンタルズに回帰するだろう。」

エラリアン氏は現在の資産価格がファンダメンタルズと乖離しつつあると感じている。
さらに、高レバレッジを敵と言い切った。
その上で、「流動性の幻想」が読み切れないリスクと語っている。
誰が誰に貸していて、そこで創造された信用がいつ逆回転を始めるのか。

「パーティが続いているうちはいいが、流動性が試される時が来ると、流動性の底は思われているほど深くないかもしれない。」

その到来を知るための兆しとして、エラリアン氏はハイ・イールド債市場のビッド・オファー・スプレッドを挙げている。