エラリアン:リスクがETFに憑依した

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最近、急にETFのリスクに言及する人が増えている。
しかも、日銀が買い込んでいる日本の話ではなく、FRBが手を触れてこなかった米国の話だ。

リスクは姿を変えたり憑依したりすることができる。

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏はBOE主催のコンファレンスで、次の金融危機が銀行セクター以外で起こる可能性を指摘した。
ノンバンク・セクターに注意すべきと語ったとFinancial Newsが伝えている。
エラリアン氏は同セクターについて、まだ十分に理解されていないため、思い込みを廃して状況を観察すべきという。
そして具体的な資産クラスとして挙げたのがETFだ。
リスクが銀行セクターからETFのような金融商品に憑依し「甚大な感染リスク」を生み出しているというのだ。

米国株市場では長く株価上昇が続き、パッシブ運用が単純に高いリターンを上げる展開を続けてきた。
強い相場だけでなく、低い手数料水準もパッシブ運用の優位性を高めている。
中でも株式の感覚で売買ができるETFは多くの投資家を集めてきた。
エラリアン氏は「これら資産クラスに過剰な流動性」が流れ込んだという。

「(ETFの)成功は称えるべきだが、独りよがりはリスクだ。」

市場下落が《負の連鎖》の引き金を引く

ETFは何らかのベンチマークに(多くは順張りで)トレースするよう設計されている。
株価指数連動型ETFがその典型だ。
これまでは株価指数が上昇していたから問題とはならなかった。
しかし、メーターが逆回転を始めると話は違ってくる。
株価指数が下がるからETFが売られ、ETFは株価指数の構成銘柄を売却し、さらに株価指数が下落する。

こうした負の連鎖を多くの投資家が心配している。
ジム・ロジャーズ氏は「多くの人が所有しているがゆえにETFが一番下げる」と予想している。
バイロン・ウィーン氏は現状のリスクの1つとして「特定のETFから一斉に投資家が逃避する可能性」を挙げている。

(次ページ: ETFリスクを増幅する日銀)