アクセル・ウェーバー:極端な緩和を継続すればバブルを生む

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元ドイツの中央銀行総裁・ECB理事で現UBS会長アクセル・ウェーバー氏が、世界経済・金融政策・投資推奨について語った。
欧州株をオーバーウェイトとした他、各国中央銀行が適切な緩和縮小を行えば、無リスク資産が魅力的になるという。

「もしも、中央銀行が極端な金融政策を継続すれば、リスクが生じる。
リスク資産の下支えを続けることで、状況はよりバブルに近づく。」

ウェーバー氏はBSジャパンのインタビューで、金融政策のさじ加減に注文をつけた。

ウェーバー氏の世界経済についての見通しは短期楽観、長期要注意というもの。
今後9-12か月は世界経済の回復基調が継続すると予想する一方、世界経済の回復過程がすでに終盤に来ているとも指摘している。
経済回復が長く続けば金融政策は引き締め側に変化せざるをえず、それがさらに経済を冷やす点を説明した。

ウェーバー氏は日米欧の金融政策についてこう予想する。

  • FRB: 慎重に利上げを継続、2018年にはバランスシート縮小を開始する。
  • ECB: 2018年にテイパリングに着手する。
  • 日銀: マイナス金利の出口が早まる可能性などは否定しないものの、基本的な金融緩和姿勢は継続する。

ウェーバー氏は日米欧がリーマン危機後にとった異例の金融政策を完全に支持している。
しかし、危機直後の政策を経済が回復色を鮮明にする中でも続けるのは不適切と語る。

「中央銀行は刺激策を縮小し、他の政策が経済拡大・回復に資するようにしなければいけない。
経済回復が時間をかけここまできたので、中央銀行は経済安定化のための施策を見直し、財政政策や構造改革が経済成長により大きな役割を担えるようにすべきだ。」

2%インフレ目標を達成しつつある欧米だが、いまだ高インフレはリスクではないだろう。
高インフレを恐れて金融政策を引き締め側に動かすとの判断は働きにくい。
むしろリスクなのは資産インフレであり、バブルだ。
だからこそ、ウェーバー氏は、中央銀行に対し慎重にゆっくりと金融政策を変更するよう勧めている。

ウェーバー氏は現状がバブルとは考えていない。
株式のバリュエーショーン(PER、企業の収益力、配当政策)を見る限り、株価が高値圏にあるものの、持続不可能な水準とは思われないという。
中央銀行が正しい仕事をするとの仮定の上でのウェーバー氏の推奨はこうだ:

  • 欧州株は割安で、今後12-18か月で上昇する。オーバーウェイト。
  • 金融緩和縮小・金利上昇とともに無リスク資産・安全資産(日米独の国債)が魅力的になる。