てるみくらぶの速すぎる債務超過拡大

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旅行業者として史上4番目の規模の破綻となった(株)てるみくらぶの最近6か月の財務悪化の様子が明らかになった。
昨年度末の2016年9月末ですでに74億円の債務超過に陥っており、それから半年で51億円も拡大しているという。

東京商工リサーチがてるみくらぶの昨年9月末と今月23日の試算表を報じている。
かなり粗い推定のように見えるが、それでもいくつか見えてくることがある。

  • 2016年9月ですでに74億円の債務超過
  • 2017年3月23日で125億円の債務超過
  • 半年間で債務超過が51億円も拡大

債務超過は実に125億円。
労働債権もあり、子会社などへの出資・貸付は返らないだろうから、実体はさらに厳しくなる。
破産申し立て時の債務総額(推計)が151億円とすると、清算配当はあっても極めて少額になろう。
経営者個人の負担を求めることにもなろうが、よほど法外な報酬を得ていたのでなければ、金額には限界がある。

もっと問題なのは、この半年間の財務の悪化だ。
2016年9月期の売上高は195億円との報道があるから、半年での売上規模は100億円程度であろう。
約100億円売上げて債務超過が51億円も拡大していたことになる。
これは、151のコストがかかるサービスを売値100で売っていた勘定だ。
これでは自暴自棄の自転車操業と言われてもしかたがない。

現時点で、てるみくらぶ内に悪意ある不正があったとの指摘はない。
では、約束したサービスが受けられなかった顧客の損害はどこに消えたのだろうか。
それは、悪意のない第3者に流れたのであり、その主なものは:

  • 債務超過の会社から広告を受託し続けたメディア
  • 運よく安い旅行を楽しめた顧客

などだろう。
後者に責任を求めるのがおかしいことは明らかだ。
では、商人である前者はどうだろう。
商人、とりわけ新聞社・テレビ局はてるみくらぶの業況の変化を知りうるのではないか。
こう考える人が出てきてもおかしくない。

もちろんメディア側に広告主の信用状態にかかわる責任はないし、広告主の顧客に対する責任もない。
今回の件でメディアに(一般用語で言う)悪意があったとは思えない。
ただ、今回の破産でお金がありそうなところはそこぐらいしかないだけなのだ。