ウォール街

【短信】リチャード・セイラー:人生最大のリスクの瞬間

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今年のノーベル経済学賞受賞者、行動経済学の権威リチャード・セイラー シカゴ大学教授が、現在の米市場について警鐘を鳴らした。
経済にはリスク要因が少なくないのに、市場はひたすら楽観を続けており、これが人生最大のリスクの瞬間を生み出しているという。

「私は神経質になっている。
投資家が神経質になれば取り乱すものだ。
今の市場にそうした取り乱した様子はない。」

セイラー教授はBloomberg番組で、市場の極端に低いボラティリティの謎について語っている。
教授はこの謎について興味があるとしながら、いまだ理解も説明もできないと認めている。
教授は現状に大いに心配しているが、低ボラティリティが示すのは投資家の無頓着だ。
それがなおさら教授を心配させる。

犬が鳴いていないことに対してシャーロック・ホームズ流の解釈をすると、私たちは人生で最もリスクの高い瞬間に生きているということ。
それでも株式市場は(リスクをよそに)うたた寝している。

セイラー教授は、大型減税への期待が原因ではないかとの見方を退けている。
これまでのトランプ政権のごたごたによって投資家は減税論議の先行きに対する自信を失っているはずだからだ。
根拠なき平静とでも言うべき雰囲気が市場を覆っている。

「心理学者は、動物とは止まっているか走っているかだと言ってきた。
投資家は停止モードにあるようだ。」