【書評】日本国債が暴落する日は来るのか?

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ミスター円こと青山学院大学 榊原英資教授が、11月に上梓した本。
国債は暴落するのかという皆が心配していながら表には出にくいテーマを扱っている。

金融・財政政策の出口を語る時が来た

大蔵省・財務省の異端児だった榊原教授が、久しぶりに大蔵省らしいテーマを中心に据えた本と言える。
その一端が現れている一文を紹介すると、教授は財政問題をこう表現している:

「問われている問題は、税金で取るか国債で取るかという『選択』です。」

この数年の著書の中で最も注目すべき著書といってよい。
教授の主張が変わったという意味ではない。
本書に込められた断片断片は、他の著書や日々の発言でも触れられていたことだ。
変わったのは時代だ。
日銀が「総括的な検証」によって(結果論で言えば)ブードゥー経済学を脱し、バランスのとれた政策に回帰する可能性が出てきた。
そこで望まれるのは理性ある出口の検証だ。

金融緩和は財政政策と密接に関係している。
超低金利政策が政府の利払い負担を抑えるためだったのかは定かではない。
それが主たる目的ではないと思うが、それを果実として望んだ人が多かったとしても不思議ではない。
いずれにせよ、超低金利政策は現在の予算編成の重要な前提条件となっている。
つまり、金融緩和の出口を議論するには、財政政策とセットでなければ意味がない。
金融政策に変化が起こり得るなら、財政政策にも何らかの変化が起こらざるをえない。

国債の限界はいつ

日本政府はどこまで国債で資金調達できるのか。
榊原教授は、荒っぽい一つの目安として

「国債の発行残高は、家計の金融資産のうち純資産との見合いで、それを上回らないところまで増やすことができる」・・・(A)

といい

「これから数年は問題ないが、40兆円ずつ発行しつづける余裕は10年が限界」

と予想している。
そこから、榊原教授は、日本が進むべき道の処方箋を示していく。
ネタばれになってはいけないので、処方箋の中身は本を読んでいただければと思う。

(次ページ: 問題の本質)